小児がんの方の保険と告知ポイント

小児がんは、治療からかなりの年数が経たないと保険への加入はできません。しかしきちんと治療し告知を行えば、将来的に医療保険に加入できる可能性があります。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 再発・後遺症がない状態で治療後10年が経過していれば、がん保険以外に加入できる可能性は高いでしょう。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

小児がんの場合、治療から10年経過していることが前提となります。10年経過していれば、一般の医療保険に加入できる可能性があります。ただし、がん保険への加入はできません。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 正式な診断名
  • 手術名を含む具体的な治療内容
  • 病理組織診断結果
  • 寛解と言われた時期
  • 現在の通院頻度
  • 医療機関名

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、小児がんだと保険に入りにくくなるのはなぜ?

がんは再発や転移する可能性が大きい病気です。小児がん全体の治癒率は70~80%と高い値ではありますが、時間が経ってから再発や転移をしてしまうかもしれません。保険会社はリスクを軽減するため、引き受けの条件に治療終了から7年や10年といった長い期間を設定しています。治療後すぐだと保険に入りにくくなるのは、そのためです。

小児がんとは

小児がんとは、出生後から15歳までに罹るがんの総称で、個別の傷病としては白血病・脳腫瘍・神経芽細胞腫などがあります。15歳以下の子供の死因として、事故以外で一番多いのは、急性リンパ性白血病です。小児癌の4分の1を占めています。続いて、原発性脳腫瘍、リンパ腫、神経芽細胞腫、ウイルムス腫瘍、網膜芽腫の順となります。効果的な化学療法の進展により、小児がんの予後は劇的に改善しました。良い予後因子のある子供では5年生存率が70%となっています。

■ 小児がんの症状
症状は個別の疾患・個人によって様々ですが、発熱や頭痛など風邪のような症状を訴えて医療機関を受診し、検査した結果、がんと診断されることが少なくないようです。
急性リンパ性白血病は小児白血病の約70~80%を占めており、発症のピークは3~4歳です。発熱、貧血、倦怠感、易感染性、出血傾向、肝脾腫、リンパ節の腫脹などの症状が出現します。
脳腫瘍は良性・悪性があり、大人では良性が多いのですが、子供では悪性が多いのが特徴です。頭痛・吐き気・嘔吐・視覚障害などの症状が出現します。
神経芽細胞腫は5歳未満に好発します。元気がない、腹痛がある等の症状から始まり、次第に腹部の奥に硬いしこりが触れる、頻尿になる、発熱するなどの症状が出現します。しこりは身体を左右対称に分ける正中線を越えて出現し、表面が凸凹しています。また、背骨近くに腫瘍ができた場合は、腫瘍が脊髄神経を圧迫することにより、足の麻痺が起こります。骨転移すると骨・関節の痛み、眼球が入っている眼窩と呼ばれる骨に転位すると眼球突出がみられ、骨髄転移すると貧血になります。
■ 小児がんの治療
急性リンパ性白血病では、高用量の化学療法による寛解導入療法・中枢浸潤予防治療・維持療法などが行われます。予後不良な症例では骨髄移植を検討することもあります。近年、末梢造血幹細胞移植や、臍帯血移植なども行われるようになりました。
脳腫瘍の治療は、手術療法・放射線療法・化学療法・免疫療法に大別され、開頭手術で腫瘍を摘出するのが一般的です。脳腫瘍が悪性であった場合や小さな病変が多発している場合は、放射線療法や化学療法が行われます。小さな腫瘍ではガンマナイフを用いることもあります。
神経芽細胞腫は1歳未満では自然治癒することもありますが、1歳以降では進行しやすく、全身転移もしやすいので、早期発見・治療が大切です。

2016年3月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。