多発性骨髄腫は根治が難しいため、一般の保険への加入はできません。ただし寛解し一定年数経過すれば、引受基準緩和型への加入を目指せるでしょう。
無選択型の保険を
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 基本的に加入はできません。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況・経過年数によって加入できます。 |
無選択型の保険 | 基本的に加入できます。 |
一般の保険の場合の告知
予後不良につき保険加入は極めて困難です。病期Ⅰで治療を受け、完全寛解後5年以上にわたり再発等なく経過していれば特別条件付きで生命保険に加入できる可能性があるかもしれません。というのも骨髄移植を受けたとしても、免疫抑制剤などによる維持療法が継続されるからです。
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、多発性骨髄腫だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
多発性骨髄腫は、骨破壊や貧血、免疫能低下による感染症、出血傾向等の様々な症状が現れる血液の悪性腫瘍です。高齢者での発症が多くて完治が難しく、予後も数年と悪いため、一般の保険への加入が極めて困難となります。多発性骨髄腫に関連する疾患として、原発性マクログロブリン血症とMGUS(意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症)があります。
多発性骨髄腫とは
多発性骨髄腫とは、抗体を産生する形質細胞が増殖する血液の悪性腫瘍です。形質細胞は白血球中のBリンパ球の一種で、主に抗体(免疫グロブリン)を産生する細胞ですが、多発性骨髄腫は、形質細胞の単クローン性(腫瘍性)増殖と、その産物である単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)の血清・尿中増加により特徴づけられる疾患で、骨破壊や貧血、免疫低下等の様々な症状を呈する血液の悪性腫瘍です。
骨髄腫細胞には遺伝子異常・染色体異常が生じますが、その原因としては、放射線の被曝や化学薬品の影響、ダイオキシンの暴露との関連が指摘されています。
- ■ 多発性骨髄腫の症状
- わが国では人口10万人あたり約3人の発症率で、本邦での多発性骨髄腫の死亡者数は年間4,000人前後です。全悪性腫瘍の約1%、全造血器腫瘍の約10%を占め、発症率、死亡率ともに年々増加傾向にあります。(出典:日本血液学会編「造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版」)
- 症状は、主に次の3つに分けられます。
(1)造血機能を抑制するため、貧血、白血球減少、血小板減少により、息切れ、動悸、発熱、感染症にかかりやすく、出血傾向になります。
(2)異常な免疫グロブリン(M蛋白)が増える為、腎障害や過粘調度症候群、アミロイドーシスが生じ、浮腫、頭痛、眼症状、神経障害が生じます。
(3)骨髄腫細胞により骨の破壊が進むと、高カルシウム血症、病的骨折、圧迫骨折が生じ易くなり、意識障害、頭痛、脊髄圧迫による麻痺等が起こります。
- ■ 多発性骨髄腫の治療
- メルファランとプレドニゾロンの2種類を内服するMP療法や抗癌剤を3種類以上併用する各種多剤併用療法があります。その他の治療法としては、大量の化学療法後に、血液の源となる造血幹細胞を血液中に輸注して造血を図る造血幹細胞移植があり、これには自家骨髄移植や自家末梢血幹細胞移植、他人からの同種骨髄移植や同種末梢血幹細胞移植があります。その他、放射線療法や、疼痛対策、抗高カルシウム血症、腎障害予防、感染症予防等の対症療法があります。
※2017年10月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。