病気で入院して入院給付金がもらえるような場合でも、保険会社に請求しなければ、給付金はもらえません。
請求の重要性
誰が、いつ入院したのか、保険会社にはわかりません。普通に考えてみれば当然の話なのですが、請求が必要なことをきちんと意識していない、あるいは保険金を受け取れる(保険に入っている)ことを忘れてしまっているというケースが意外にあります。気をつけましょう!
保険請求の流れ
保険金・給付金を請求して受け取るまでの流れを見ていきましょう。
①契約内容の確認
被保険者(保険がかかっている人)が病気やけがで「入院や手術をした」「死亡した」など給付金・保険金を受け取れると思われる時は、保険証券や約款をみて保障内容をよく確認しましょう。
②保険会社への連絡
被保険金や給付金が受け取れそうな場合は、保険会社に連絡します。また自分で判断がつかないような時も保険会社に確認するようにしましょう。
連絡先
生命保険会社(問い合わせ窓口や営業所・支社など)や担当FPなど
連絡事項
死亡保険金の 場合 |
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給付金の場合 |
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③請求書類の用意・提出
生命保険会社に請求の連絡をすると、請求手続きの説明書や請求書類などが送られてきます。診断書や証明書などの各種必要書類を揃え、請求書への記入ができたら、書類一式を保険会社に提出します。
必要書類
死亡保険金の 場合 |
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給付金の場合 |
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④請求内容の確認、支払い判断(保険会社)
保険会社は、請求書類が届くと、その内容を確認して、保険金・給付金の支払い事由に該当するかどうかを判断します。また必要に応じて、提出された書類や診断書についての詳細な事実確認をする場合があります。
⑤保険金・給付金の支払い
保険会社は、請求内容を確認して保険金や給付金の支払いができると判断した場合には、受取人が指定した金融機関の口座に保険金・給付金を振り込み、金額の明細書を送付します。明細書が届いたら振込金額を必ず確認しましょう。
また、保険金・給付金の支払いに該当しない場合は、その理由について書面で通知・説明をします。
重要ポイント
指定代理請求人とは
保険金・給付金の請求は所定の受取人が行うことになりますが、受取人が病気で寝たきりで意思表示が行えないとか、がんの告知を受けていないなどの理由で、請求できない場合に、受取人に代わって、保険金・給付金の請求ができる人のことです。
指定代理請求人は比較的新しい制度なので、この制度が始まる前に入った保険などでは、まだ指定代理請求人を決めていない可能性があります。有益な制度なので、昔入った保険がある方は、ぜひ指定代理請求人について確認しておきましょう。
請求に関する注意点
保険金・給付金に関しては、請求漏れをしてしまっていたり、当然受け取れると思って請求したら給付されないケースだったりということが実際に起こっています。そうならないように、ありがちなケースを紹介します。
請求が漏れがちなケース
- ・保険に入っていること、あるいは入っている保険に該当する保障があることを忘れていた
- ・保険にたくさんの特約がついていても、内容を把握しておらず請求できることに気がつかなかった
- ・複数の保険に入っていて、その1つは請求してが、他の保険のことを忘れていた
- ・手術・入院をしたのちに死亡して、死亡保険金を請求したが、入院給付金は請求していなかった
- ・入院中に一度入院給付金を請求したが、退院後に残りの入院期間分を請求しなかった
など
保険金、給付金が支払われないケース
- ・手術をしたが、手術給付金の支払いに該当する手術ではなかった
- ・入院をしたが、入院○日以上からという支払い条件にあてはまっていなかった
- ・複数の保険に入っていて、その1つは請求してが、他の保険のことを忘れていた
- ・保険加入時に、故意または重大な過失により、事実と異なることを告知していたり、告知していなかったりして、告知義務違反となってしまった
- ・加入後一定期間は保障されないとか、特定の病気については保障されないなどの条件がついていた
- ・病気でも入れる保険等で、支払い対象外となる入院や手術であった(責任開始前から医師にすすめられていた入院や手術等)
- ・病気でも入れる保険等で、支払い削減期間があって、その期間内であったために支払い額が減額された(支払われるが額が少なくなるケース)
など
注意ポイント
請求漏れをなくしたり、支払われないケースを正しく把握するためには保険加入前から、重要事項説明書や契約のしおり・約款などで保障内容を正しく理解しておくことが大切です。
※保険会社や商品によって内容が異なる場合があります。詳細は各保険会社にご確認ください。
※2011年2月末現在の情報に基づいた内容となります。