基礎疾患の有無または貧血自体の症状にもよりますが、一般的に貧血が軽症ならば生命保険への加入は可能だと考えられます。
まずは一般の保険から
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 症状・治療状況によりますが、基本的には加入が可能です。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況によって入れます。 |
無選択型の保険 | 基本的に入れます。 |
一般の保険の場合の告知
貧血の原因は様々で軽視されがちのため、まずは医師の診断を受けることが重要です(原因となる病気によって保険加入の可否がかわってきます) 。
保険加入を検討する場合は、以下の情報を詳しく告知するとよいでしょう。
<告知上のポイント>
- 直近のヘモグロビン濃度(g/dl)とその測定日
- 基礎疾患の有無(あれば病名)
- 入院の有無
- 服用薬剤名
- 診療機関名
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、貧血だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
貧血は、女性における生理的なものからがんや白血病などの重篤疾患の初期症状まで、いろいろな原因により起こります。したがって貧血の原因となる疾患によっては死亡リスクが高いからです。
貧血とは
赤血球(red blood cell; RBC)は、酸素結合蛋白であるヘモグロビンを含み、肺で取り入れた酸素を全身の組織に運び、不要となった二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。赤血球の平均寿命は約120日です。
貧血とは、血液検査でヘモグロビン(hemoglobin; Hb)濃度(血色素濃度)を調べて、成人男性で13g/dl以下、成人女性で12g/dl以下の状態です。さまざまな赤血球系の異常が貧血の原因となります。
日本で一番多い鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia)は、鉄の欠乏により赤血球のヘモグロビン合成が低下して起こる貧血です。一般に若年から中年の女性に多く、貧血の中では最も頻度が高い疾患です。日本では貧血の3分の2を占めます。原因として男女共通なものでは、胃・十二指腸潰瘍や憩室炎などの慢性消化管出血、痔出血などが多く、女性特有では子宮筋腫などの性器出血、出産による失血、月経過多などが多いです。なお、中高年男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では、悪性腫瘍による場合があります。貧血の原因を精査されることをお勧めいたします。
ヘモグロビンの貧血値と基準値 | ||
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貧血値 | 基準値 | |
成人男性 | 13g/dl以下 | 13.1g/dl~16.6g/dl |
成人女性 | 12g/dl以下 | 12.1g/dl~14.8g/dl |
- ■ 貧血の主な症状
- 若年から中年の女性で、頭痛・めまい・動悸・息切れ・易疲労感・眼瞼結膜蒼白などがあり、スプーン状爪、異食症、赤い平らな舌の舌乳頭萎縮をきたします。時に舌炎、口角炎、嚥下障害を伴います。
鉄が欠乏すると、最初に貯蔵鉄であるフェリチンが減少します。続いて血清鉄であるトランスフェリンと結合したものが減少します。最後に組織の鉄が減少しスプーン状爪やプランマ-ビンソン(Plummer-Vinson)症候群(舌炎・口角炎・嚥下障害を三徴とする症候群ですが、最近ではここまでひどい貧血を見ることは稀です)などの症状がみられます。フェリチンとは鉄を結合する蛋白質で、肝臓や脾臓に存在します。体内の鉄の量に応じて作られ、鉄を貯蔵する役割があります。よって、鉄が減るとフェリチンも減ります。トランスフェリンは鉄を結合する蛋白質で、主に血液中に存在し鉄を運搬する役目があります。よって、鉄が減るとトランスフェリンは余ります。 - ■ 貧血の検査・診断
- 血液検査でヘモグロビン(Hb)濃度(血色素濃度)を調べて、成人男性で13g/dl以下、成人女性で12g/dl以下のとき貧血と診断されます。さらに、血液検査にて小球性低色素性貧血が確認されること、すなわちMCV、MCHC、血清フェリチンの低下がみられます。
- ■ 貧血の治療
- 貧血の治療が必要な第一の理由は高拍出性心不全を防ぐためです。子宮筋腫などの原因があればそれを除去します。慢性失血を見逃してはいけません。そして、経口鉄剤を投与しますが、吐き気や心窩部痛などの胃腸症状の副作用がある場合は静注へ切り替えます。ヘモグロビンの回復と同時に、血清フェリチンが20ng/ml以上の回復を必要とします。鉄剤をタンニン酸含有のお茶、制酸薬、テトラサイクリン系抗菌薬と併用すると鉄の吸収を阻害するので併用は避けたほうが良いでしょう。
※2013年1月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。