アスペルガー症候群の方の保険と告知ポイント

アスペルガー症候群は、一般の保険への加入はできません。
しかし告知をきちんと行うことで、引受基準緩和型の保険に加入できる可能性はあります。

引受基準緩和型の保険を
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 基本的に加入はできません。
引受基準緩和型の保険 症状・治療内容によって入れる場合があります。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

アスペルガー症候群の場合、就業してなく引きこもりの状態にある場合には、どの保険会社も一般の保険への加入は受け付けていません。ただし引受基準緩和型の保険であれば、症状によって加入できる場合もあります。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正しく告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 具体的症状
  • 初診からの経緯
  • お薬の名前や手術の有無・手術名などの治療内容
  • 現在の状況(就業の有無、自律した生活が可能か)
  • 最終通院日

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、アスペルガー症候群だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

アスペルガー症候群の方は、コミュニケーション能力の欠如から、社会との不適応を起こしやすく、その結果としてうつ状態になることが多いため、保険への加入が難しくなります。

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群(AS)は発達障害の一つです。アスペルガー症候群は対人コミュニケーション能力や社会性、想像力に障害があり、対人関係に問題のある障害で、知的障害や言葉の発達の遅れがないものを言います。言語障害や知的障害の症状はないので、周りからは「変わった人」と思われがちです。明確な原因は現在もわかっていませんが、何らかの脳機能の障害と考えられています。

■ アスペルガー症候群の症状
アスペルガー症候群は約4,000人に1人の割合で発症するといわれています。本人や家族の自覚のあるなしなども含め、広い意味で診断するとその数はもっと多いと考えられます。
全米の子どものうちASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)の割合は、1.5%(68人に1人)というのが、最新の統計です。男子は女子に比べて5倍の割合(男子:42人に1人、女子:189人に1人)で発症しているとしています。
アスペルガー症候群には大きく分けて3つの症状・問題点があります。(1)コミュニケーションの問題(2)対人関係の問題(3)限定された物事へのこだわり・興味の3つです。
(1)コミュニケーションの問題:会話能力は表面上できるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。(2)対人関係の問題:場の空気を読むことができず、相手の気持ちを理解したり、それに寄り添った言動が苦手です。そのため、対人関係を上手に築くことが困難となります。(3)限定された物事へのこだわり・興味:いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せます。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。記憶力がよく集中力もあります。
■ アスペルガー症候群の治療
アスペルガー症候群について、気になる症状がある場合は医師に相談し、診断を受けます。医療機関の診断は、アメリカ精神医学会の「DSM-5」や世界保健機関(WHO)の「ICD-10」による診断基準によって下されます。
医療機関での診断は、子どもの場合は、専門外来のある小児科、脳神経小児科、児童精神科などで行われます。また、18歳以上の場合は一般的に精神科や心療内科で診断がなされます。
医療機関では、診断基準に基づいたテスト、生育歴の聞き取り、その人のライフスタイルや困難な状況についての質疑応答など、しっかりと話を聞いた上で総合的に診断します。

2017年8月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。