ベーチェット病は根治が難しい疾患であるため、一般の保険への加入はできません。
ただし治療をしっかり行えば、引受基準緩和型の保険への加入を目指せるでしょう。
引受基準緩和型の保険を
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 症状・治療状況により生命保険・がん保険に入れる可能性があります。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況によって加入できます。 |
無選択型の保険 | 基本的に加入できます。 |
一般の保険の場合の告知
ベーチェット病の場合、一般の医療保険の加入は困難です。死亡保険については保険料割増で加入できる可能性があります。
ただし引受基準緩和型の保険であれば、症状によって加入できる場合もあります。
保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正しく告知することが大切です。
<告知上のポイント>
- 正式病名(完全型または不完全型)
- 病変部位と具体的症状(皮膚、眼、消化管、血管、中枢神経)
- 初診からの経緯・発症回数・入院の有無
- お薬の名前や手術の有無・手術名などの治療内容
- 医療機関名
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、ベーチェット病だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
現在の医療ではベーチェット病を完治させる治療はなく、全身にわたる多彩な症状があらわれます。また、一時的に症状が落ち着いたとしても再発を繰り返してしまいます。一生涯付き合っていくことになる病気であるため、一般の方向けの医療保険は基本的に加入が困難となります。
ベーチェット病とは
膠原病類似疾患の1つで、全身性の小血管炎による多彩な病状を呈します。
全身のほとんどの臓器に急性炎症を反復する難治性疾患です。
青年期に好発し、10歳以下の小児期や50歳以降の発症は極めて少なく、遺伝的要因ではHLA-B51の保有率が50%と高く、男性のほうが重症例は多くみられます。
- ■ ベーチェット病の症状
- 20歳~30歳代で、口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍(口腔粘膜に好発する1~3mmの浅い潰瘍で、円形・有痛性で表面に白苔や周辺の発赤を伴います。アフタ性口内炎とも云います。)や下腿伸側の有痛性の結節性紅斑、皮下の血栓性静脈炎、ぶどう膜炎・虹彩毛様体炎・網脈絡膜炎や視力障害、有痛性の外陰部潰瘍が見られます。
精巣上体炎、回盲部から上行結腸の難治性易穿孔性消化管潰瘍、関節変形のない関節炎、血管炎、精神神経症状などをきたします。
ベーチェット病では回盲部の消化管腫瘍を伴う腸管ベーチェット、血栓性静脈炎などの血管炎を伴う血管ベーチェット、片麻痺・痴呆症・構音障害を伴う神経ベーチェットがあります。
- ■ ベーチェット病の治療
- アスピリン、インドメタシン、コルヒチンなどの消炎鎮痛薬と免疫抑制薬が基本となります。
眼症状の発作時にはステロイド点眼薬と虹彩癒着防止のため散瞳薬を使います。
眼症状は青年期の失明の最大原因疾患です。
皮膚症状にはステロイド軟膏の塗布が効くことが多く、内服薬としてコルヒチン、セファランチンなどが効果を示すことがあります。
関節炎にはコルヒチンが有効とされ、対症的には消炎鎮痛薬を使用します。
血管病変にはステロイドと免疫抑制薬が主体となります。
腸管病変にはステロイドとスルファサラジン、アザチオプリンなどを使用しますが、難治性であることも少なくなく、最近ではTFN阻害薬の有効性が報告されています。
消化管出血や穿孔は手術を要しますが、再発率も高く、術後の免疫抑制剤療法も重要です。
中枢神経病変には急性期の炎症にはステロイドパルス療法を使用します。
※2017年7月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。