脳腫瘍の方の保険と告知ポイント

脳腫瘍の方でも脳腫瘍の病状、手術後の経過年数によっては、保険加入の可能性があります。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 症状・治療状況により、入れる場合があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

脳腫瘍であれば、医療保険と生命保険ともに保険加入は難しいものと思われます。聴神経鞘腫や下垂体腺腫など良性脳腫瘍の術後であれば、後遺症なく数年以上経過後に保険料割増で生命保険に加入できるかもしれません。

<告知上のポイント>

  • 正当な脳腫瘍の病名(可能ならば病理組織診断名)
  • 脳腫瘍の手術の時期
  • 術後の放射線療法・化学療法の有無
  • 術後の後遺症・合併症の有無とその詳細
  • 主治医から終診と言われた時期

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、 脳腫瘍だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

脳腫瘍にも悪性と良性がありますが、いずれにしても頭蓋内という限られた空間を占拠するために生命危険度が高いといえます。また脳腫瘍の隣接部位が破壊されるため、手術・放射線治療後に後遺症を残すことがあるからです。

脳腫瘍とは

脳腫瘍とは、頭蓋内組織にある細胞から発生する新生物のことです。すなわち脳細胞(神経細胞、神経膠細胞)からだけでなく硬膜、くも膜、血管、末梢神経細胞などから発生する腫瘍も含まれます。現在、良性と悪性も含め約130種類の組織型が定義されています。 成人に多い脳腫瘍としては、多い順に神経膠腫(glioma)(28%)、髄膜腫(26%)、下垂体腺腫(17%)、神経鞘腫(11%)などがあります。転移性脳腫瘍を除く脳腫瘍の発生原因は不明です。なお脳神経細胞(ニューロン)は、神経膠細胞(グリア)と呼ばれる細胞により支持されています。

■ 脳腫瘍の主な症状
人口10万人あたり毎年約12人発生するといわれています。頭蓋内で脳腫瘍がある程度の大きさに成長すると脳浮腫を起こし、何らかの臨床症状が出現します。もともと閉鎖された頭蓋内という空間には限界があるため、そこに腫瘍の増殖が起こると頭蓋内の圧力が高くなります。こうして起こる症状が脳圧亢進症状です。具体的には、頭痛、吐き気、嘔吐、眼底のうっ血乳頭等が起こります。発生部位によっては局所症状として、視野欠損や難聴、運動麻痺、言語障害などを伴うことがあります。また大脳皮質に病巣がある場合はけいれん発作(てんかん様発作)を起こす場合が少なくありません。なお、脳腫瘍による頭痛は朝起床時に強い痛みを訴えることが多く、早朝頭痛(morning headache) と呼ばれます。この頭痛は吐くとすっきりすることが多いです。
■ 脳腫瘍の検査・診断
脳腫瘍の検査では、頭部のCT検査やMRI検査などの画像検査を行うのが一般的です。さらに脳腫瘍がどのように血管を取り込んでいるか詳しく調べるために脳血管造影検査を行うこともあります。血液検査で腫瘍マーカーやホルモンを調べたりすることや、眼科検査や耳鼻科検査が役に立つこともあります。近年では、脳ドックにより無症状のときに脳腫瘍が見つかることが多くなりました。
■ 脳腫瘍の治療・予防
脳腫瘍の治療は、手術療法、放射線療法、化学療法、免疫療法の4つに大別されます。開頭手術で腫瘍を摘出するのが一般的です。脳腫瘍が悪性であった場合や小さな病変が多発している場合には、放射線療法や化学療法が行われます。腫瘍の大きさが3cm以下で個数が少なければガンマナイフを用いることもあります。ガンマナイフとは、定位放射線治療を行う放射線照射装置の一つで、コバルト60線源201個をヘルメットのような形状に並べ、この線源を精密にコントロールし、病変部にガンマ線を一点に集中照射させることができます。脳腫瘍や脳動静脈奇形の治療にガンマナイフは用いられます。
■ 脳腫瘍の原因
転移性脳腫瘍を除く脳腫瘍の発生原因は不明。

2012年11月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。