ブルガダ症候群の方の保険と告知ポイント

ブルガダ症候群の方は、基本的には保険に入りにくくなります。正しい告知により、加入できる可能性を探りましょう。

引受基準緩和型の保険を
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 基本的に加入できません。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって加入できます。
無選択型の保険 基本的に加入できます。

一般の保険の場合の告知

ブルガダ症候群で治療中の場合、一般の保険への加入は難しいでしょう。完治して一定年数以上経過している方であれば、一般の保険に加入できる場合があります。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 診断名
  • 受診のきっかけ(「自覚症状がある」、「健康診断で指摘を受けた」など)
  • 検査内容および結果(cove型/saddle back型、もしくは1型~3型、心電図波形記録紙が提出ができればなお良し)
  • 治療内容

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、ブルガダ症候群だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

ブルガダ症候群は、心室細動による突然死を引き起こす病気です。心室細動が起こると血栓ができやすく、脳梗塞の原因にもなりうるため、保険への加入が厳しくなります。したがって症候性ブルガダ症候群の場合には、心室細動などを予防するために除細動器(ICD)の植え込み手術後でないと保険加入は厳しいです。

ブルガダ症候群とは

ブルガダ症候群は、心電図検査で胸部誘導(V1‐2)上に特徴的な波形(ST上昇)がみられ、血液を全身に送り出す心室という部位がブルブル震える心室細動による突然死を起こす疾患です。1992年スペインのブルガダ(Brugada)らが、この心電図所見と夜間睡眠中に発症する心臓突然死が密接な関係を有し、特発性心室細動の重要な基質であることを明らかにしました。従来、我が国においても何らかの基礎疾患がない青壮年男子が夜間にうめき声を発して急死する奇妙な疾患(ぽっくり病)があることが知られていました。これらが同一の疾患であり、現在ではブルガダ症候群と呼ばれています。

ブルガダ症候群にみる失神発作は、心室細動あるいは心電図の波形が一つずつ違い崩れて表れる多形性心室頻拍により起こります。この発作は夜間の睡眠中に出現することが多く、副交感神経緊張亢進と交感神経緊張低下が関与しています。

上述のような心電図所見を呈する症例のすべてが心室細動を起こすわけではありません。ブルガダ型心電図を示しても何ら自覚症状をともなわない場合には、無症候性ブルガダ症候群あるいは特発性ブルガダ心電図パターン(idiopathic Brugada ECG pattern)と呼ばれます。

■ ブルガダ症候群の症状
企業健診における成人男性でのブルガダ型心電図の頻度については、大まかに0.1~0.2%です。ブルガダ症候群は心電図波形により以下表の1型にあたるcoved型(入江型)と2・3型にあたるsaddle back型(馬鞍型)があり、saddle back型がcoved型の2~3倍の頻度であると推察されています。失神、心室細動などの病歴を持つ症候性ブルガダ症候群の心事故発症率は高い(67.6%)ですが、無症候性ブルガダ症候群では低いと考えられています。心事故の無発症率は93.4%との報告もあります。
また、比較的アジア人に多く、男女比では9:1と圧倒的に男性に多くみられることもわかっています。
■ ブルガダ症候群の治療
ブルガダ症候群に関しては、植込み型除細動器(ICD)の植え込みが唯一の治療法と言われています。これは不整脈予防ではなく、脈を監視して致死的な不整脈が出た際にそれに反応し、電気ショックを発生させるものです。
内科的治療としては心停止発作を予防するために抗血小板剤や抗不整脈用剤が処方されますが、予防するはずの不整脈用剤が心停止発作を起こしてしまう可能性もあるため、投与には注意が必要です。

2018年7月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。