がんの方の保険と告知ポイント

基本的にがんに罹っている方は保険には入りにくいですが、治療状況によっては、保険加入の可能性も出てきます。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 症状・治療状況により、入れる場合があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

きちんと治療を受けていると特別条件付きなどで入れる場合があります。がん家系であるならばがんに特化したがん保険への加入も検討すべきです。まずは、保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 病名
  • 入院・手術の有無(分かれば手技・術式名)と時期
  • 病理組織診断名と病期(ステージ)
  • 手術後の通院加療の有無と詳細(放射線療法、化学療法の有無)
  • 主治医から終診と言われた時期
  • 医療機関名

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、がんだと保険に入りにくくなるのはなぜ?

■ がんの主な症状
公益財団法人がん研究振興財団編「がんの統計2012」によると、人口10万人に対する悪性新生物は過去50年間に急激に増加していることが分かります。がんは、1981年には日本人の死因の1位となりました。また、厚生労働省「がん生存者の社会的適応に関する研究」2002年報告書によると、「日本人男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんになる。日本人の3人に1人ががんで死亡する」と報告されています。すなわち、日本人男性のがん罹患率は50%ということなのですが、本当でしょうか。さらに同報告書は、がんの2015年問題として「3人に2人ががんに罹(かか)り、2人に1人ががんで亡くなる」と結んでいます。 がんの初期には自覚症状がありません。はっきりとした症状を自覚したときには、がんはかなり進行している可能性が高くなります
早期がんの初期症状を考えるならば、胃がんに対する食思不振と胃痛、大腸がんに対する血便、乳がんに対するしこりなどがあげられるでしょう。食思不振とは、食欲がないことです。毎日「お腹がすいた」と思えないときは、注意が必要でしょう。早期の大腸がんには自覚症状はなく、健康診断や人間ドックの便潜血反応検査で発見されることが多いです。乳がんの初期症状で一番気づきやすいのは、しこりです。そのため生理終了後の1週間以内に、1ヶ月に1回の乳房の自己検診が勧められています。
がんの進行度は、病期(ステージ)で表します。その病期は0期からⅣ期に分類され、数字が多いほどがんが進行している状態になります。つまり病気が重いことを示唆します。逆に、0期(上皮内がん)とⅠ期であれば、早期がんとよべる段階ですから、手術等をすれば完治が望めます。たとえば、胃がん、結腸がん、直腸がん、乳がん、子宮体がん、前立腺がんにおいて、臨床病期Ⅰ期の生存率は95%を越えています。
■ がんの原因
およそ60 兆個の細胞から成り立っている人間の体は、常に細胞分裂を繰り返して新しい細胞を生み出しています。つまり古い細胞から新しい細胞への入れ替えが生涯続くわけです。たとえば、赤血球と皮膚細胞のそれぞれの寿命は120日と60日です。若いときの肌の細胞の新陳代謝はもっと早く20歳代では28日周期です。これが60歳代だと100日くらいの周期になります。新しい細胞は、幹細胞の核の中にある遺伝子によってコントロールされたコピー細胞です。
正常細胞では、死んでいく細胞を補うために、増殖因子が産生されます。増殖因子がレセプターに結合すると、細胞内の増殖機構が刺激されます。一般に正常細胞は、細胞周囲環境下の増殖制御機構(増殖シグナルと増殖停止シグナルを伝えるサイトカインなど)の制御下にあります。しかし腫瘍細胞は、この制御機構から逸脱し、自律して増殖できるようになります。
■ がんの治療
がんの治療方法は、それぞれのがんの種類と病期(ステージ)により選択する標準的治療法が決まっています。一般的には、手術療法、化学療法、放射線療法の3大治療法を組み合わせた集学的治療が行われます。これらに加えて近年では、温熱療法、免疫療法、緩和ケアなどがあります。
手術療法では、がんの内視鏡外科手術による縮小・低侵襲手術の増加、化学療法では、副作用の少ない経口抗がん剤(TS-1など)の開発による外来通院治療の増加、放射線療法では、重粒子線や陽子線による放射線治療施設の増加などが、がんの治療法が大きく進歩してきた点でしょう。また、免疫療法も先進医療の1つとして研究が進んでいます。近所のがんクリニックへ外来通院することで、がんの治療が受けられるようになりつつあります。
■ がんの検査・診断
がんの検査には、細胞や組織を採取して、病理医に顕微鏡下で調べてもらう方法があります。それぞれ細胞診や組織診とよばれます。血液検査で腫瘍マーカー値を調べることもできます。これは人間ドックなどの血液検査で一般に行われています。その他、X線検査、超音波検査、CT検査、MRI検査、PET検査などの画像検査法で、腫瘍塊の存在が発見されることもあります。

更に詳しい内容は、本サイト監修者「牧野 安博」氏の右記書籍をご参考下さい。

査定医"ドクター牧野"がんの話
発売日:2013/4/8
単行本:80ページ
出版社:セールス手帖社保険FPS研究所

2013年4月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。