慢性腎臓病の方の保険と告知ポイント

慢性腎臓病の方は、基本的に保険に入りにくいですが、正しい告知により入れる可能性を探りましょう。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 一般的に加入は難しいでしょう。がん保険には入れる可能性があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れる可能性があります。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

慢性腎臓病の場合、一般の生命保険や医療保険への加入は難しいでしょう。がん保険については比較的入りやすいようです。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 急性か、慢性か、原発性か、続発性かがわかるよう、正確な病名
  • 医療機関への受診に至った経緯と時期
  • 合併症の有無
  • 薬剤名含む治療内容
  • 通院頻度
  • 医療機関名

上記、注意点に従って告知しても、病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、慢性腎臓病だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

慢性腎臓病は進行性の病気で、病期が進むと人工透析や腎移植の検討が必要となります。また将来的には心筋梗塞や脳卒中(脳梗塞、脳出血)に罹りやすいため、生命保険や医療保険への加入が難しくなります。

慢性腎臓病とは

慢性腎臓病(chronic kindney disease; CKD)とは、持続するたんぱく尿や血尿があり、徐々に高血圧や腎機能障害を起こす疾患の総称です。慢性腎臓病には、膜性増殖性糸球体腎炎などのように他に原因がない原発性のものと、ループス腎炎や糖尿病性腎症などのように他の疾患が原因で二次的に引き起こされる続発性のものがあります。原発性慢性腎臓病の要因として、日本人は白人に比して血液を濾過する能力が低いこと、それに加えて食の欧米化による脂肪の過剰摂取、運動不足などの生活習慣が追い打ちをかけていると考えられています。

■ 慢性腎臓病の症状
日本人は白人に比べ慢性腎臓病患者が多く、慢性腎臓病と診断される人の割合は、米国では人口の約4.3%であるのに対し、日本では約10%にも及びます。
慢性腎臓病は症状に乏しいため、自覚症状で診断がつけられることは稀で、たいていの場合、健診の尿検査や血液検査で異常が指摘され、再検査・精密検査を行って初めて診断されます。
■ 慢性腎臓病の治療
慢性腎臓病は進行性の病気ですので、初期段階では生活習慣の改善、塩分・たんぱく制限などの食事療法、肥満解消や禁煙治療などで進行を遅らせます。また、血圧の上昇がみられる場合は降圧剤、脂質異常がみられる場合は抗高脂血症薬、浮腫がある場合は利尿剤などが処方されるなど、腎機能の低下による合併症に対しては薬物治療が行われます。慢性腎臓病の病期が5になると腎機能障害が著しいため、透析や腎移植の検討が必要になります。慢性腎臓病は将来的には心筋梗塞や脳梗塞に罹りやすいこともわかってきており、通常は予後不良です。

2014年12月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。