クローン病は根治することがないため、一般の保険への加入はできません。ただし治療をしっかり行えば、引受基準緩和型の保険への加入を目指せるでしょう。
引受基準緩和型の保険を
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 基本的に加入はできません。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況によって入れる場合があります。 |
無選択型の保険 | 基本的に入れます。 |
一般の保険の場合の告知
クローン病の場合、保険会社は一般の保険への加入は受け付けていません。ただし引受基準緩和型の保険であれば、症状によって加入できる場合もあります。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。
<告知上のポイント>
- 病変部位と具体的症状
- 初診からの経緯・発症回数
- 薬の名前や手術の有無、手術名などの治療内容
- 現在の状況
- 最終通院日
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、クローン病だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
現在の医療ではクローン病を完治させる治療方法はなく、また一時的に快方に向かったとしても再発を繰り返してしまいます。一生涯付き合っていくことになる病気であるため、一般の方向けの医療保険や終身保険は基本的に加入が困難となります。
クローン病とは
クローン病(Crohn’s disease; CD)は原因不明の慢性炎症性疾患で、主に回腸末端から大腸に病変が生じます。炎症性腸疾患は下痢や腹痛をもたらす消化管の慢性炎症が特徴で、一時的に回復した状態である寛解と再発を繰り返します。
クローン病の名は19世紀にアメリカのクローン医師が初めて報告したことから彼の名を取ってつけられました。
この疾患は平成27年1月1日から医療費助成対象疾患(指定難病)となりました。
- ■ クローン病の症状
- クローン病は若年者に好発し、10歳代後半~20歳代に発症のピークがあり、男女比は約2:1と男性に多くみられます。日本の有病率は欧米に比べて低いのですが、近年は増加傾向にあります。
消化管である口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸・肛門のどの部位にも炎症や粘膜が欠損した状態である潰瘍が生じますが、一番多く発生するのが小腸の一部の回腸です。クローン病は、非特異的限局性腸炎や回腸末端炎とも呼ばれ、腸管の病変と病変の間に正常部分が存在する非連続性の病変が特徴的です。
部位別にみると、小腸だけにおこるのが全体の35%、大腸だけにおこるのが20%、小腸の後半と大腸にまたがるものが45%となっています。特に大腸に病変が生じたものを大腸クローン病と言います。
クローン病の症状は病変がある部位によって異なりますが、腸に病変がある場合では腹痛・下痢・体重減少・発熱・貧血・肛門病変などの症状がみられます。クローン病の肛門病変には、裂肛・痔瘻・肛門周囲膿瘍・浮腫状皮垂などが多く、女性では直腸肛門腟瘻も起こります。大腸が広範囲にわたりクローン病にかかった場合は結腸がんを起こすリスクがあります。腸管外病変では、関節炎・結節性紅斑・口内炎・ぶどう膜炎などの症状がみられます。
- ■ クローン病の治療
- 残念ながら現時点でクローン病を完治させる根治療法はありません。
クローン病治療の目的は、病気の活動性をコントロールして一時的に症状がなくなる寛解状態を維持することです。まずは栄養療法を行い、必要に応じて大腸の炎症を抑えるための薬や免疫調節薬、ステロイドなどの薬物療法を併用します。
腸閉塞や穴があいてしまう穿孔をおこした場合、膿瘍を形成した場合などは外科的治療が行われます。
しかし、外科的に切除しても半数の症例で術後5年以内に再発がみられます。
※2016年6月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。