労作性狭心症の方の保険と告知ポイント

労作性狭心症の方は、基本的に保険には入りにくいですが、正しい告知により入れる可能性を探りましょう。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 一般的に加入は難しいでしょう。がん保険には入れる可能性があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

労作性狭心症の場合、原則、生命保険や医療保険への加入は難しいでしょう。がん保険については比較的入りやすいようです。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 診断名
  • 初診からの経過
  • 入院、手術の有無とその時期
  • 冠動脈病変の部位(右冠動脈、左冠動脈)
  • 治療内容(薬物名、手術方法など、その詳細)
  • 診療機関名

上記、注意点に従って告知しても、病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、労作性狭心症だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

労作性狭心症は心臓の冠動脈の血管が狭くなることで起こりますが、その原因は糖尿病や脂質異常症・高血圧などによる動脈硬化です。つまり、労作性狭心症であるということは、これらの生活習慣病が懸念されることになります。また動脈硬化が進めば、心筋梗塞や脳卒中などのリスクも出てきます。そのため労作性狭心症になると生命保険や医療保険への加入が難しくなります。

労作性狭心症とは

まず狭心症とは、心臓を栄養する冠動脈の血管内腔が狭くなり、一時的に心臓への血液供給が滞り、心筋虚血が起こり、主に胸骨後方に痛みを感じる狭心痛が起こる疾患で、心筋梗塞の前駆病態です。そして狭心症のうち、階段の昇降や走るなどの運動負荷(労作)をした際や、冷たい空気にさらされた時に起きるものを労作性狭心症といいます。

■ 労作性狭心症の症状
労作によって心筋の酸素需要量が増加するため、一過性の心筋虚血状態をきたし、前胸部の絞扼感・前胸部の圧迫痛が数分~10分程度続きます。(それ以上、痛みが継続する場合は心筋梗塞の可能性が高いです。)肩・頸・腕などに放散痛を感じることもありますが、逆にはっきりした症状を感じない人もいます。これは特に高齢者や糖尿病患者で顕著です。痛み・違和感は安静にすることで症状は落ち着きます。
■ 労作性狭心症の治療
治療は薬物治療と観血的治療があります。薬物治療は発作時と非発作時に分けられます。発作時はニトログリセリンのような亜硝酸薬を舌下投与します。非発作時はアスピリンのような血液をさらさらにする抗血小板剤、血管を拡張するCa拮抗剤や硝酸塩薬、心臓の働きを減らすβ遮断剤などを投与します。
観血的治療は通常、意識・血圧・脈拍・呼吸・体温など、いわゆるバイタルサインが安定してから行われます。カテーテルと造影剤を用い冠動脈の狭窄、れん縮、血栓、拡張をみる冠動脈造影(CAG)で冠動脈の狭窄を確認後、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)を行います。PCIはカテーテルを使い狭窄部位をバルーンで拡張させる方法、CABGは冠動脈の狭窄している部分よりも抹消と大動脈をバイパスでつなぎ、冠動脈抹消血流を確保する方法です。

2014年7月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。