肥大型心筋症の方は基本的に保険に入りにくいですが、正しい告知により入れる可能性を探りましょう。
まずは一般の保険から
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 一般的に加入は難しいでしょう。がん保険には入れる可能性があります。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況によって入れます。 |
無選択型の保険 | 基本的に入れます。 |
一般の保険の場合の告知
肥大型心筋症の場合、基本的に一般の保険への加入は難しいでしょう。がん保険については比較的入りやすいようです。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。
<告知上のポイント>
- 肥大型心筋症と診断された時期
- 肥大型心筋症の型(APH, MOV, IHSS, HNCM)
- 現在の臨床症状
- 心臓超音波検査、心電図検査の所見
- 医療機関名
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、肥大型心筋症だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
肥大型心筋症は、軽症の段階でも突然死をしてしまうおそれがある病気です。また内服治療で十分な効果がない場合は、外科手術が必要となることがあります。このような理由から肥大型心筋症になると保険の加入が難しくなります。
肥大型心筋症とは
心筋とは、心臓の壁を構成する筋細胞からなる組織で、この心筋が収縮することによって心臓の左心室から全身に血液が送り出されます。肥大型心筋症は、左心室の心筋が厚くなることで左心房から左心室へ血流を受け入れる働きが障害され、動悸やめまい、失神などを引き起こす病気です。まれに右心室が肥大する症例もあります。
左心室への流出路の狭窄があるかないかによって閉塞性と非閉塞性に分けられます。
閉塞性肥大型心筋症の基本的な病態は、左心室から血液が出ていく部位が狭くなることによる心拍出量の低下です。非閉塞性肥大型心筋症の基本的な病態は、心室筋の肥大による左心室拡張能の低下および不整脈です。
肥大型心筋症は原因不明の心筋疾患ですが、閉塞性肥大型心筋症の約半数に常染色体優性遺伝の家族内発症がみられます。肥大型心筋症は、平成27年1月1日から指定難病となりました。
- ■ 肥大型心筋症の症状
- 無症状のこともありますが、大きく分けて胸部症状と脳症状があります。動悸、狭心痛に加え、めまい、失神、収縮期の頚動脈脈波が二つの峰を形成します。急に立ち上がったとき、飲酒時、急な気温の変化などで症状が出やすくなります。失神は普通、運動後に起こりますが、これは心臓が脳への十分な血液を供給できなくなるためです。怒責も左室流出路の狭窄を強めます。毎年肥大型心筋症の患者の約4%が死亡します。死亡は普通突然死で、おそらく不整脈によるものと考えられています。
- ■ 肥大型心筋症の治療
- 軽症を含むどの段階からも突然死の予防が重要になります。左室流出路圧較差の有無にかかわらず軽いスポーツを除いて行うことはできません。失神したことがある、血縁関係に突然死した方が居るなどはリスクが高くなります。失神や突然死は運動中のみならず運動直後にも見られます。飲酒も症状が悪化する条件の一つです。左室拡張障害に対してはβ遮断薬、Ca拮抗薬を投与します。過剰な心収縮力を低下させる治療を行います。不整脈を合併した場合にはそれに応じた治療を行います。内服で十分な効果が得られない場合などは、ペースメーカー挿入を行い、心房心室伝道時間を調整し、流出路狭窄を改善させます。外科的には心室中隔切除術などを行いますが、この手術によって症状が緩和しても死亡リスクは減りません。
※2015年10月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。