B型肝炎の方の保険と告知ポイント

B型肝炎でも、きちんと治療して正しく告知すれば保険に入れる可能性があります。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 症状・治療状況により、保険会社によっては引き受けをしている場合があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

B型肝炎の場合、発症していないキャリアであれば保険会社によっては引き受けを検討するところもあります。ただし一般的には、引受基準緩和型の加入を考えるのがよいでしょう。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

<告知上のポイント>

  • 診断名(急性・慢性/肝炎ウイルスの型)
  • 発症回数
  • 加療期間
  • 薬剤名含む治療内容
  • 最終検査内容・結果および検査年月日

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、B型肝炎だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

B型肝炎ウイルスに感染した人の10%が慢性肝炎となり、そのまま進行すると肝硬変、肝がんとつながっていくため、保険会社のリスク判断が厳しくなります。また、B型肝炎の無症候性キャリアー(HBe抗原陰性)であっても、その状態から直接に肝細胞がんを発症することが分かって来ました。すなわちB型肝炎ウイルスに感染した状態でいることは、肝細胞がんの発癌リスクが少なからずあることから、定期的に腹部超音波検査をすることが重要となります。

B型肝炎とは

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染により起きる肝臓疾患です。感染経路は、注射器の使いまわし・性的接触・刺青・ピアスの穴開けなど、感染した血液・体液によるものです。B型肝炎ウイルスを持った母親の産道を通って生まれた子どもが感染する母子感染もよく知られています。

以前は「血清肝炎」と呼ばれていたように、輸血によって感染することが多かったのですが、昭和47年以降に輸血用血液のスクリーニング開始、昭和61年以降に母子感染防止事業開始、昭和63年以降に集団予防接種時の感染についての予防策がとられるようになり、それらが原因の感染は減りました。一方、現代では性的接触・覚せい剤や刺青における針の使いまわしが感染源と思われる患者数が増加傾向にあります。感染時期や健康状態によって一過性の感染で済む場合と、生涯にわたり持続感染する場合とがあります。

■ B型肝炎の症状
2B型肝炎の推定患者数は、平成8年の10.8千人をピークに減少し、平成23年は6.7千人となりました。(平成20年厚労省患者調査
また、キャリア数は約110~140万人と言われています。急性B型肝炎の潜伏期間は平均90日です。感染初期では、全身倦怠感・食欲不振・嘔吐などの症状が出現し、他覚症状としては黄疸や肝臓の腫大がみられます。成人が急性肝炎を発症した場合、一般的には慢性化せずに1ヶ月程度で回復します。母子感染もしくは乳幼児期に感染すると90%程度は持続感染し、そのほとんどが思春期以降に一過性の肝炎を起こした後、安定した肝機能を保ちます。しかし、10~20%程度の人は慢性肝炎へ移行し、肝硬変へ進行することもあります。
■ B型肝炎の治療
急性肝炎は通常、無治療で、必要に応じて栄養補給や水分補給の点滴治療を行う以外は自然にウイルスが排除されるまで経過観察します。慢性B型肝炎ではウイルスを体内から完全に排除することは困難となり、治療の目的は症状の緩和、病態の進行の抑制となり、ウイルス増殖抑制作用のあるインターフェロンや核酸アナログ製剤の投与が行われます。B型肝炎ウイルスの感染を防ぐにはB型肝炎ワクチンが有効です。

2016年1月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。