膵炎は、告知をきちんと行うことで引受基準緩和型の保険に加入できる可能性があります。
また急性膵炎であれば、完治してから一定の期間が経てば、一般の保険に入れる可能性も出てきます。
引受基準緩和型の保険を
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 急性膵炎が完治してから一定期間が経てば、加入できる可能性が出てきます。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況によって加入できます。 |
無選択型の保険 | 基本的に入れます。 |
一般の保険の場合の告知
発症1回で完治した急性膵炎の場合であれば、加入できる可能性があります。
しかし慢性膵炎の場合は、一般の保険も引受基準緩和型の保険も、加入は困難になります。また、がん保険や三大疾病保険など、大きな病気に備える保険への加入も難しいでしょう。
<告知上のポイント>
- 正式病名(急性膵炎、慢性膵炎)
- 初診からの経緯・発症回数・具体的症状・検査結果など
- 入院の有無(あればその期間)
- お薬の名前や手術の有無・手術名などの治療内容
- 現在の状況
- 最終通院日
- 医療機関名
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。
そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、膵炎だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
厚生労働省の2004年度調査によると、急性膵炎の全体の再発率は20.3%でした。
また慢性膵炎への移行率は、3~15%と言われています。
再発や慢性化に対して一定のリスクがあるため、保険の加入が難しくなっています。
膵炎とは
膵炎は膵臓の炎症性疾患で、日本では急性膵炎と慢性膵炎とに分類されます。
アルコールと胆石が2大成因で、アルコールや胆石が原因で膵管の閉塞が長びくと、活性化された膵酵素が膵臓や周辺の細胞を消化し始め、重症の炎症を起こします。
- ■ 膵炎の症状
- 2003年の厚生労働省研究班の調査によると、日本ではアルコール性膵炎(37.3%)の頻度が胆石性膵炎(23.8%)よりやや多くなっています。
男性ではアルコール性膵炎(50.1%)の頻度が胆石性膵炎(17.7%)の約3倍ですが、女性では胆石性膵炎(37%)がアルコール性膵炎(9.6%)の約4倍と圧倒的になっています。
高齢者は胆石性膵炎(54%)、特発性膵炎(24%)、アルコール性膵炎(10%)の順です。 - 急性膵炎は強い腹痛が主な症状で、上腹部の胸骨の下あたりに激痛が生じます。
急性膵炎の多くは嘔吐、発熱、頻脈を伴います。
胆石性急性膵炎では、痛みは突然始まり、数分で最大の強さに達します。
アルコール性膵炎の場合は、痛みは数日かけて強まります。
その後痛みは強いままのこり、突き抜けるような激しい痛みが数日間持続します。
慢性膵炎は腹痛や急性膵炎発作を繰り返します。
- ■ 膵炎の治療
- 軽症の膵炎の治療は、通常は短期的に入院して、痛みの緩和のために鎮痛薬を投与し、膵臓を休ませるために絶食します。
普段の食事に戻るには通常2~3日かかりますが、その後は特に治療の必要はありません。
中等度から重度の膵炎では、入院が必要になります。
患者はまず飲食を避け、痛みや吐き気などの症状は薬を静脈投与してコントロールします。
点滴による水分補給も行います。
重症の急性膵炎では、集中治療室への入院が必要となり、バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸数)と尿量を継続してモニタリングします。 - 胆石が原因の急性膵炎では、治療は重症度によって変わります。
軽症の場合は、胆嚢の切除は症状が軽減するまで遅らせることができます。
胆石による重症の膵炎は、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)で治療します。
胆石による膵炎の80%以上では、胆石は自然に通過しますが、入院後24時間経過しても症状が軽減しない場合や胆管系に感染症が生じている場合(胆管炎)は、ERCPによる胆石除去が通常必要となります。
※2016年10月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。