くも膜下出血でも、きちんと治療して正しく告知すれば保険に入れる可能性があります。
まずは一般の保険から
トライ!
保険加入の可能性
<保険タイプ別の加入可能性>
保険タイプ | 加入の可能性 |
---|---|
一般の保険 | 症状・治療状況により、保険会社によっては引き受けをしている場合があります。 |
引受基準緩和型の保険 | 症状・治療状況によって入れます。 |
無選択型の保険 | 基本的に入れます。 |
一般の保険の場合の告知
くも膜下出血の場合、基本的に引受基準緩和型の加入を考えるのがよいでしょう。くも膜下出血を起こした脳動脈瘤の手術後から一定の期間が経っていれば、保険会社によっては引き受けをしている場合があります。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。
<告知上のポイント>
- 診断名
- 受診のきっかけ(症状があって受診・脳ドックで発見された、など)
- 検査内容
- 原因
- 再発の有無
- 手術の有無
- 合併症
- 治療内容
- 後遺症有無(ある場合は詳細)
上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険もあります。無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。
正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ
ところで、くも膜下出血だと保険に入りにくくなるのはなぜ?
脳ドックなどで、くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤が見つかることが多くなりました。この脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血を発症すると、高い割合でいろいろな合併症を起こしたり、最悪の場合には死に至ることがあります。そのため保険加入時の審査は厳しく、ご希望に添えないケースも多々あります。また医者も未破裂脳動脈瘤の破裂の危険を考慮して、定期的な検査を勧めることがほとんどです。長期に渡って経過観察中となるため、健康な人向けの保険がなかなか検討しにくい場合も多いでしょう。
くも膜下出血とは
脳は頭蓋骨とその内側にある髄膜に保護されており、髄膜は外側から順に硬膜、くも膜、軟膜と呼ばれています。くも膜下出血とは、くも膜と軟膜の間にあるくも膜下腔に出血を起こした病態をいいます。くも膜は髄液中に浮く状態にあるものなので、そこに血液が混ざりこむと様々な弊害が起こります。
くも膜下出血の原因としては、脳動脈瘤の破裂(70%)、動静脈奇形(10%)、もやもや病(数%)、外傷によるものなどがあります。40~60歳では脳動脈瘤の破裂によるものが多く、20~40歳では脳動静脈奇形からの出血が多いです。
- ■ くも膜下出血の症状
- くも膜下出血は脳卒中の10%を占め、1年あたり1万人に1~2人が発症し、50%が死亡します。
出血による浸出液・細胞の増加は、脳の圧を高くしたり脊髄の神経根に刺激を起こします。「ハンマーで頭を殴られたような痛み」「過去に経験したことのない痛み」とよく表現される突然の激しい頭痛で発症し、項部硬直、ケルニッヒ徴候などの髄膜刺激症状を示し、嘔吐、痙攣、一過性の意識障害が起こります。
ケルニッヒ徴候とは、下肢を股関節で90度屈曲し、ついで膝を伸展させようとすると大腿屈筋の筋緊張亢進により伸展に対する抵抗が強く、疼痛が起こる徴候です。 - ■ くも膜下出血の治療
- くも膜下出血の原因を確定して治療方針を決定します。血圧のコントロールをし、鎮静薬、鎮痛薬、抗脳浮腫薬を投与します。くも膜下出血を起こした人の約20%は再度破裂を起こすため、脳動脈瘤では再発防止のために脳動脈瘤頚部のクリッピング手術を行います。意識障害が高度の場合にはそれが改善してから手術を施行します。脳動脈瘤によるくも膜下出血では、発症後24時間以内の再出血、発症後4日~2週間にみられる血管攣縮、正常圧水頭症などの合併症が起こるため注意が必要です。
また脳動静脈奇形では、奇形血管(nidus)の摘出あるいはガンマナイフを検討します。近年、未破裂脳動脈瘤や脳動静脈奇形等の脳血管異常に対して、血管内手術用カテーテルを用いる脳血管内手術(未破裂脳動脈瘤コイル塞栓術、脳動静脈奇形塞栓術)も行われるようになってきました。
※2016年3月末現在の情報に基づいた内容となります。
※本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。
※病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。