喘息の方の保険と告知ポイント

基本的に症状が回復していれば一般の保険への加入も条件付で可能となることもあります。呼吸に息苦しさを感じた場合、早期に受診することが重要です。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
医療保険 症状・治療状況により、特別条件付で入れる場合があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

<告知上のポイント>

  • 正式病名
  • 喘息発作の頻度(月または年に何回か)
  • 入院の有無
  • ピークフロー(%PEF)または1秒率(%FEV1)の値
  • 治療薬
  • 医療機関名(呼吸器専門医)

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険加入への可能性もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、喘息だと保険に入りにくくなるのはなぜ

小児期に発症する気管支喘息いわゆる小児喘息は、その8割は自然治癒します。しかし思春期以降まで持ち越した喘息や成人発症の喘息では、感染症などを合併し重篤化して入院することもあるからです。

喘息とは

喘息すなわち気管支喘息(bronchial asthma)とは、慢性の気道炎症、気道過敏性の亢進、可逆性の気道閉塞を特徴とする疾患です。生理学的機序による定義としては、多くの異なる刺激に反応して、過剰な気管平滑筋収縮を引き起こす気道過敏性の状態を気管支喘息と定めています。
肺の呼吸機能検査では、閉塞性換気障害を示します。ダニ、ハウスダスト、ペット、刺激ガス、粉じん、薬剤などによるI型アレルギー(アナフィラキシー型)が原因として考えられています。特に重要な気管支喘息としては、運動誘発性喘息、吸入アレルゲンによる喘息とアスピリン喘息があります。IgEによる体液性免疫が関与し、肥満細胞の脱顆粒によりヒスタミンなどの化学伝達物資多が放出され、気道の炎症を引き起こすことで発症します。I型アレルギーの反応出現時間は、即時から30分です。アトピー性皮膚炎を合併していることが多いです。
気管支喘息には、幼児期に発症することが多いアトピー型(外因型)と40歳以上の成人発症に多く見られる非アトピー型(内因型)の2つの型があります。

■ 喘息の主な原因
肺の呼吸機能検査では、閉塞性換気障害を示します。ダニ、ハウスダスト、ペット、刺激ガス、粉じん、薬剤などによるI型アレルギー(アナフィラキシー型)が原因として考えられています。実際にはどれかひとつということはなく、いくつかの誘因が絡み合って発作が起こります。これらの原因をできるだけ遠ざけることが発作の予防になります。
■ 喘息の主な症状
1950年代では喘息患者数は、人口の1%前後であったが、近年4~5%へと増加しています。小児喘息は男子に多いが、成人では性差はありません。特に都市部の小児と高齢者に喘息患者が多い傾向があります。患者の50%は10歳までに発症しています。重篤な喘息発作などによる死亡すなわち喘息死は年間約3000人であり、2000年代で改善傾向にあります。
気管支喘息の主な症状は、発作性で反復性の咳嗽、喘鳴、呼吸困難です。特に夜間から早朝にかけて発症します。
■ 喘息の検査・診断
聴診にて、笛音(wheeze, piping rale)を聴取します。呼吸機能検査では、スパイログラムで1秒量(FEV1)が低下し、フローボリューム曲線で末梢気道狭窄が見られます。血液検査や喀痰検査で好酸球と好酸球塩基性蛋白(eosinophil cationic protein; ECP)の上昇が見られます。また気管支喘息のアレルゲンを特定するために血清IgE検査、皮内テストなどを行います。
気道可逆性試験として、β2刺激薬の吸入で、FEV1が12%以上かつ200ml以上改善され、誘発試験としてヒスタミン、メサコリン、アセチルコリンなどの吸入でFEV1の低下を認めるとき、気管支喘息を考えます。なお誘発試験は、危険なため一般的には行われません。
気管支喘息の確定診断のためには、心不全(心臓喘息)や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの器質的心肺疾患を除外する必要があります。
■ 喘息の治療
気管支喘息では、発作時と非発作時に分けて治療を行います。喘息発作時は、β2刺激薬吸入を基本とし、ステロイド全身投与とアミノフィリン点滴を行います。重篤発作時には、O2吸入、アドレナリン投与、気管挿管と人工呼吸を行います。
非発作時の長期管理としては、吸入ステロイドを基本とし、長時間作用性β2刺激薬、ロイコトルエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放薬などを組み合わせます。
従来、使われていた速効型β2刺激薬の濫用事故が激減し、吸入ステロイド剤により良好なコントロールが得られるようになったため、夜間救急外来受診者の重症発作が著明に減少しています。

2013年8月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。