子宮頸がんの方の保険と告知ポイント

無選択型以外の保険の加入は難しいケースが多いです。基本的に症状が回復していれば一般の保険への加入も条件付で可能となることもあります。何より定期的に健診を受け予防することが大切です。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 完治後、かなりの年数が経過している場合に限り、加入できる可能性があります。がん保険は加入できません。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

<告知上のポイント>

  • 病名
  • 入院・手術の有無(分かれば手技・術式名)と時期
  • 病理組織診断名と病期(ステージ)
  • 手術後の通院加療の有無と詳細(放射線療法、化学療法の有無)
  • 主治医から終診と言われた時期
  • 医療機関名

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、無選択型の保険加入への可能性もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、子宮頸がんだと保険に入りにくくなるのはなぜ?

子宮頸がんの手術後では、一般のがんの術後と同様に、病期(ステージ)を含めた術後の病理組織診断によって、予後の評価が変わるからです。また術後の治療の有無と経過年数も関係します。早期の子宮頸がんで、術後の合併症・後遺症なく完治していれば、保険加入の可能性も出てきます

子宮頸がんとは

子宮頸がんは子宮腟部や頸管の上皮から発生したがんです。女性生殖器がんの中では一番頻度が高く、子宮頸部の扁平上皮・円柱上皮接合部(squamo-columnar junction; SCJ)が好発部位で、病理組織学的には扁平上皮がんが8割を占めます。 「出産回数が多い」ほうがなりやすいのも特徴です。

■ 子宮頸がんの主な症状
子宮頸がんの好発年齢は30歳代から60歳代で、罹患率と死亡率ともに若年層で増加傾向にあります。特にその前がん病変のピークは30歳と若い人に多いです。子宮頸がんの初期は全く症状がありませんが、子宮がん検診で発見されることが多くなってきています。高齢者に進行した子宮頸がんが多いのは集団検診受診率が低いことによると考えられています。
月経でない時の出血である不正出血、性行為の際の出血、排尿痛または排尿困難、性交時痛、腰痛、骨盤領域の痛み、下肢痛、ふだんと違う悪臭のあるおりものなどが見られることがあります。

独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターより

■ 子宮頸がんの検査・診断
子宮頸部の細胞診で、クラス分類Ⅲa以上となったときはがんを疑います。Ⅲaの場合は、3ヶ月後に再検査をします。このときにHPV検査をしておくことが望ましいです。さらにコルポスコピーにより、赤点斑やモザイクなどの異常な移行帯所見の有無を確認します。狙い組織診で扁平上皮癌や腺癌などの病理所見が認められたとき、子宮頸がんと診断されます。子宮頸がんの病期(ステージ)の決定は、内診・直腸診、コルポスコピー、ヒステロスコピー、膀胱鏡、直腸鏡、排泄性尿路造影、胸部X線検査などによって行われます。
■ 子宮頸がんの治療
子宮頸がんの治療には、手術療法と放射線療法があります。病期(ステージ)に応じて治療が行われます。たとえば、0期と挙児希望のあるⅠa1期では円錐切除術、0期と挙児希望のないⅠa1期では単純子宮全摘術が選択されます。Ⅰa2期からⅡb期では広汎子宮全摘術を行います。Ⅲ期とⅣ期では、化学放射線療法が行われます。
■ 子宮頸がんの原因
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus; HPV)というウイルスの感染です。このHPVは、ヒト乳頭腫ウイルスともよばれ、いぼを形成することからパピローマ(乳頭腫)という名前が付きました。HPVは100種類ぐらいあることが確認されています。子宮頸がんの原因である発がん性HPVには、主に16型と18型です。

2013年2月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。