膠原病の方の保険と告知ポイント

膠原病の方は基本的に保険には入りにくいですが、関節リウマチであれば完治後、生命保険やがん保険に加入できる場合があります。きちんと治療して正しい告知を心がけましょう。

まずは一般の保険から
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 関節リウマチであれば、症状・治療状況により生命保険・がん保険に入れる可能性があります。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって入れます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

一般の保険の場合の告知

膠原病の場合、基本的に一般の保険への加入は難しいでしょう。関節リウマチの場合は全治していれば、がん保険に入れる可能性があります。保険会社に正しく査定してもらうためにも、以下の情報を正確に告知することが大切です。

関節リウマチの方は「関節リウマチの方の保険と告知ポイント」をご覧ください。

<告知上のポイント>

  • 診断名(「膠原病」ではなく、具体的な疾患名)
  • 具体的症状
  • 合併症の有無
  • 治療内容(薬剤名や手術名など)
  • 通院頻度
  • 入院の有無

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。そのような場合でも、引受基準緩和型の保険加入への可能性もありますし、無選択型の保険もあります。症状や病気の進行度合いに応じて、できるだけ条件のよい保険に入れるようにしましょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、膠原病だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

膠原病は原因不明で、症状が一旦消失することがあっても完治が難しい病気です。また死亡率も低いとはいえません。そのため保険の加入が難しいというのが現状です。

膠原病とは

古来、病気は特定の臓器が侵されるものと考えられていましたが、19世紀になると複数の臓器が同時に侵され、その中心がどこであるのかを特定できない病気があることがわかりました。研究の結果、それらは病変の中心が結合組織にあり、病理組織学的変化に共通した変化がみられることが分かり、これら疾患群を総称して「膠原病」と呼ぶようになりました。結合組織とは主に、体の組織や器官をつなぎ、人体を支える役割を担う、線維に富んだ組織です。「膠原病」は病名ではなく疾患群の総称で、膠原病には関節リウマチ・全身性エリテマトーデス(SLE)・強皮症・多発性筋炎・皮膚筋炎・シェーグレン症候群などが多数の疾患が含まれます。

膠原病の原因は不明ですが、発症には自己免疫が関与していると考えられています。自己抗体とは、自分自身と免疫反応を起こしてしまう抗体のことで、膠原病では自己抗体が陽性となる疾患が多いです。

■ 膠原病の症状
共通する症状として、発熱、全身の倦怠感、体重減少、関節痛や筋肉痛、関節のこわばりなどがみられます。
・関節リウマチ
膠原病の中でも最も頻度の高い疾患で、30~50歳代の女性に多くみられます。手・膝・肘関節の疼痛や腫れが左右対称的に生じ、朝のこわばりが特徴的です。
・全身性エリテマトーデス
10~30歳代の女性に多くみられます。発熱、体重減少のほか、関節症状が95%に、顔面に蝶の形の紅斑が現れるなどの皮膚粘膜症状が90%に、腎症状が50%にみられます。その他、全身のあらゆる臓器を侵し、症状も様々呈します。
・強皮症
30~50歳代の女性に多くみられます。全身性の皮膚硬化、色素沈着、レイノー現象がみられます。レイノー現象とは、手指・足趾の再動脈が収縮し、皮膚の色が正常→白→紫→赤→正常へと変化する現象です。

その他、各疾患により症状・経過は様々です。

■ 膠原病の治療
膠原病の主な治療薬には、自己抗体が作られるためにそれを抑える免疫抑制剤や、リンパ球の働きを抑えるためのステロイド剤、非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられますが、それぞれの病気で治療法は異なります。

2015年6月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。