ファロー四徴症の方の保険と告知ポイント

ファロー四徴症は、引受基準緩和型の保険なら加入できる可能性の高い病気です。
保険会社に引き受けをしてもらうためにも、告知をしっかり行うことが大切です。

引受基準緩和型の保険を
トライ!

保険加入の可能性

<保険タイプ別の加入可能性>

保険タイプ 加入の可能性
一般の保険 加入は難しいでしょう。
引受基準緩和型の保険 症状・治療状況によって加入できます。
無選択型の保険 基本的に入れます。

引受基準緩和型の保険の告知

ファロー四徴症は、状態によっては引受基準緩和型の保険に加入できます。
ただ、この病気は主に幼児期に発覚しますが、引受基準緩和型の保険は引き受け年齢が最低20歳以上からとなります
親が子どもの保険について問い合わせるケースも多いですが、成人してからでなければ加入はできないため、注意が必要です。

<告知上のポイント>

  • 病変部位と具体的症状
  • 初診からの経緯・発症回数
  • お薬の名前や手術の有無・手術名などの治療内容
  • 現在の状況
  • 最終通院日

上記、注意点に従って告知しても、もちろん病状によっては加入は難しいでしょう。
そのような場合でも、無選択型の保険もあります

※無選択型の保険に加入するかどうかは、症状や病気の進行度合いに応じて担当のFPとも相談して判断するのがよいでしょう。

正しい保険検討手順については「3ステップ検討法」へ

ところで、ファロー四徴症だと保険に入りにくくなるのはなぜ?

ファロー四徴症は先天性の難病で、完治するのは難しいと言われています。
また治療は心臓手術が基本となるため、手術後1~2年は加入できない条件に当てはまるケースも多く、保険に加入しずらくなっています。
術後、成人しても弁膜症を合併することがあります。

ファロー四徴症とは

チアノーゼ(爪や唇の色が紫色になること)をともなう先天性心疾患です。
次の4つの特徴をもつ心疾患をファロー四微症と呼びます。
【1】心室中隔欠損【2】大動脈騎乗(大動脈が左右の心室にまたがる)【3】肺動脈狭窄・漏斗部狭窄【4】右室肥大
原因は、心臓の発生の段階で、肺動脈と大動脈の2つの大きな血管を分ける仕切りの壁が体の前方にずれたため、心臓の異常が出現します。

■ ファロー四徴症の症状
出生数1万あたりのファロー四微症の出生率は2.8~4.1人(3600人に1人)、ファロー四微症に肺動脈閉鎖を伴ったものは1.2名、合計して5.3名くらいといわれています。
チアノーゼを生じる先天性心疾患の中では一番多い疾患です。男女比はほぼ1:1で男女差はありません。
ファロー四微症は、生後まもなく心雑音で見つかることが多く、心室中隔欠損を通して右室から大動脈へ酸素が低い血流が流れ、このためにチアノーゼが生じます。
約1/3は生後1か月以内に現れ、約1/3は1か月から1年以内の乳児期に現れ、残り約1/3は生後1年以後の幼児期に現れます。
はじめは、泣いた後や運動時にチアノーゼがみられ、成長にともないいつも見られるようになります。歩き始める頃になると、走ったり歩いて息が切れるとしゃがみ込むような姿勢をとることが見られるようになります。生後2か月以後には、この疾患に特有の「チアノーゼ発作(低酸素発作)」がみられることがあります。
症状は、急に不機嫌になり、チアノーゼと呼吸困難が強くなり、高度になると意識がなくなったり、全身のけいれんを起こすことがあります。通常10分程度で自然に改善することが多いのですが、長時間続く場合は死亡することもあります。チアノーゼが出現して6か月以上経つと手足の指先が円く変形して、太鼓のばちのような形(太鼓ばち指)になります。
■ ファロー四徴症の治療
治療の基本は手術です。手術は低酸素血症を改善するため、鎖骨下動脈と肺動脈をつなぐブラロックータウシッヒ短絡手術と心室中隔欠損を閉鎖して狭い右室流出路を拡大形成する心内修復術があります。
ファロー四微症の心内修復術は、通常生後6か月以後2歳以下に行われることが多く、狭い右室流出路の手術法に自分の肺動脈弁を残す方法(自己弁温存法)、右室流出路にパッチと呼ばれる膜を当てて拡大形成する方法(右室流出路パッチ拡大術)、人工血管などの導管を使って右室から肺動脈へ通路を作成する方法(ラステリ手術)の3通りがあります。
チアノーゼ発作に対しては、β遮断剤が用いられます。通常はミケラン(カルテオロール)またはインデラル(プロプラノロール)の内服が処方されます。貧血があると発作を起こしやすくなるため、輸血を行う場合もあります。
通常は、乳児期にチアノーゼを生じてチアノーゼ発作や運動制限などのために手術が行われます。心内修復術を行えば術後の状態にもよりますが通常の日常生活は過ごせるようになりますが、激しい競技スポーツや運動は制限されます。
加齢とともに肺動脈弁閉鎖不全が進行すると運動時の息切れや日常生活の制限が起こるようになり、右室機能低下や三尖弁閉鎖不全を生じて心不全を呈するようになります。この場合には肺動脈弁置換術を必要とすることがあります。

2017年2月末現在の情報に基づいた内容となります。

本ページは、(株)ASSUMEの監修により作成しています。

病気、保険の告知等に関する情報については、典型的なケースを想定して記載したものであり、個別の症例、保険査定、加入条件等とは異なる場合があります。判断の目安としてお役立てください。詳細については、生命保険会社または医師等にご確認ください。